どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 68

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もうすぐ節分ですね。

節分といえば豆まき。豆まきと言えば鬼。

という事で鬼にまつわる曲…と言っても西洋ではあまり鬼はポピュラーではないので悪魔にまつわる曲です。かなりこじつけた感がありますが気にしない!

リスト メフィスト・ワルツ 第1番「村の居酒屋での踊り」(1856-1861頃)

メフィストとは西洋を代表する悪魔メフィストフェレスの事。
「ファウスト伝説」でファウストが召喚した悪魔で、ファウストの命と引き換えに様々な願いを聞き入れ欲の限りを尽くす様なお話で、様々な創作に登場します。

そのファウストとメフィストフェレスが村の居酒屋に表れる所を描いたのがこの曲。楽士のヴァイオリンを取り上げたメフィストが憑かれたように演奏を始めて村人たちを陶酔に引き込む中、ファウストは村娘を森に連れ出すといったシーンの描写が成されています。

どこかしら不気味な雰囲気を纏ったワルツに始まり夜の森でのロマンティンクな風景描写と非常に魅惑的な音楽です。

ちなみに2番以降も存在しますが、作曲時期が全く違うため曲想も異なったものとなっています。副題が有るのもこの曲だけ。この第1番が一番有名です。


サン=サーンス 「死の舞踏」(1874)

死神と骸骨なので悪魔のカテゴリに入れるのも微妙な所ですが紹介。

冒頭のハープが12回鳴る事で深夜0時を告げます。

この静まりきった深夜に突然表れるヴァイオリンソロは死神によるもの。墓場に現れた死神が骸骨たちを使役し始めます。

不気味なワルツに添えられたシロフォン(木琴)の音による骨のカタつく表現が不気味さを際立たせます。

曲は徐々に狂乱の度合いを高め盛り上がっていくのですが、オーボエの旋律と共に静まり返ってしまいます。これは雄鶏の声。朝が来たのです。

朝日と共に骸骨達は墓に帰って行き、何事もなかったかの様な静けさで曲は終わります。

非常に分かりやすい曲なのですが、その直球な表現故に初演は不評だったそうです。現在ではサン=サーンスの曲でもよく演奏される部類の曲となっています。