どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 73

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前回に引き続きオーケストラの編成のお話。


管楽器は「1stトランペット」や「3rdフルート」など、1人1パートが基本です。それに対し弦楽器は複数の奏者が1つのパートを担当します。

この弦楽器の人数構成には目安があります。

その話に入る前に弦楽器の人数の数え方を紹介しましょう。

弦楽器は「プルト」という単位で数える事が良くあります。
プルトはドイツ語で「机」を意味するのですが、ここでは「譜面台」の事を指します。譜面台はドイツ語では「Notenpult」なのでこれの略語ですね。

弦楽器はどのパートも1台の譜面台を2人でシェアして演奏します。だから2人で「1プルト」。1stヴァイオリンに14人居れば7プルト編成という事になります。

奏者の位置を示す際にもこの言葉は使われます。「1stヴァイオリンの1プルト目」と言えば最前列の2人を指し、「1プルトの表」と言えばそれはコンサートマスターの事を指します。ちなみに、譜めくりは裏の役割です。また、表と裏で別の楽譜を演奏する事もあります。


さて、構成目安の話に戻りましょう。

編成の規模自体は曲によりけりなのですが、その規模の中にも一定の規則が存在します。

例えば1stヴァイオリンが7プルト編成の時は2ndヴァイオリンは6プルト編成、ヴィオラは5プルト、チェロは4プルト、コントラバスは3プルトと楽器の音域が下がる毎に1プルトずつ減っていきます。

1stが6プルトならその下は5-4-3-2プルト、8プルトなら7-6-5-4プルト。当然例外も有りますが、基本はこの考え方です。

この編成規模の事を、1stが7プルト編成の時は「14型」、5プルト編成の時は「10型」と1stヴァイオリンの人数で呼ぶ事もあります。16型や18型ともなるとかなり大規模な曲ですね。

弦楽の規模自体は管楽器のパート人数の多寡に合わせて決まります。管楽器が各2本ずつなら10-12型くらいが多いと思います。

余談ですが、本来管楽器が各2人ずつの曲を4人ずつに増強して演奏する事があります。こういった編成は「倍管編成」と呼ばれます。そのまんまですね。そうなると本来は弦楽12型が適正だった様な曲も16-18型に増強されます。これのメリットは迫力が増すの1点に尽きます。


舞台の「上手」「下手」はまた次回。