演奏会の開催というのはどうしてもコストのかかる物で、当然ながら曲の規模が大きくなればなるほどそれは増加します。しかし、規模の大きい曲というのはそれだけ作曲者の強い信念が込められている事も多く、様々な超大曲が名曲と言われています。
そんな名曲で有るものの編成の都合で演奏機会の限られた曲をいくつかご紹介。
マーラー 交響曲第2番「復活」(1894)
総じて大編成の曲が多いマーラーですが、この曲と続く交響曲第3番は初期の超大曲です。
まずティンパニが舞台上に2セットと別働隊で舞台外に1セット。トランペットやホルンも舞台内外でそれぞれ10人必要です。また、木管は4管編成と多少大人し目(?)ですが、フルート奏者4人とも全員ピッコロ持ち替えだったりします。
そして合唱はソリスト2人と混声合唱が必要で、人集めが大変なのは勿論ですが、演奏会場も限られる様な曲です。
交響曲第3番もほぼ同様の編成ですが、合唱がソリスト1名に女声合唱と児童合唱になっています。
どちらも1つのオケが数年に1度演奏するかどうかという規模の曲。
マーラー 交響曲第8番(1907)
「1000人の交響曲」の通称が有る通り、先述の2、3番を上回る編成規模の曲。
管弦楽の規模は2、3番とほぼ同じですが、ソロ歌手が8人必要な上に合唱も児童合唱に加え、混声合唱に至ってはなんと2セット必要も要求されます。
ちなみに1000人で演奏されることはまずありません。400人も居れば演奏可能です。それでも充分大編成ですが…。2,3番以上に演奏会場の限られる曲です。
こちらに至っては1つのオケでは5年スパンくらいでしか演奏されません。
シェーンベルク グレの歌(1911)
ロマン派の音楽から離れ「無調の世界」へと踏み込んでいったシェーンベルクですが、作曲初期は調性のしっかりした音楽を書いていました。その時の集大成のような曲がグレの歌です。
王が寵愛していた愛人を嫉妬に狂った王妃が毒殺してしまい、その事に嘆いて神を恨んだ王が神に呪い殺されて成仏できぬ亡霊となってしまうという前半部と、その王の亡霊(と部下の亡霊達)が愛人の魂を求め城の周りを暴れまわる後半部に分かれています。
こちらもマーラーに匹敵する管弦楽の規模に加えて、語り手を含む歌手が6人、合唱が4セットととんでもない規模。
日本では馴染みの無い曲ですが、モチーフとなった話がヨーロッパでは有名な様であちらではしばしば演奏されています。
ハチャトゥリアン 交響曲第3番(1947)
この曲の演奏頻度の少なさは単純にマイナーな所がありますが…。
ロシア革命30周年記念で作曲された祝典的な交響曲。
管弦楽の規模は普通で合唱も必要ありませんが、こちらはソロトランペットが15人必要です。
また長大で非常に技巧的なオルガンソロでも有名です。