どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 94

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シューマン ピアノ協奏曲より第1楽章(1845)

指の故障によりピアニストへの夢を断念したものの、作曲家としてピアノ曲と中心に名曲を数多く残してきたシューマン唯一の完成したピアノ協奏曲。

劇的な短い序奏から現れるオーボエの哀愁漂うソロが聴衆を一気にドラマの中へと引き込みます。その直後にピアノソロがオーボエソロと同じメロディーを奏でる事で、ピアノソロをオーボエが先導していた事が分かります。

後半でも同じシーンが現れます。こちらはオーボエはエスコートだという展開が既に分かっている分、オーボエソロの聴こえ方が少し変わって来るのではないでしょうか。

序奏以降は終始ロマンティックな音楽が展開され、冒頭の激しさを忘れてしまいそうになりますが、幸せな時は長く続かず、終結部で変形した主題が現れて雲行きが怪しくなり再度急転直下。完全に序奏の雰囲気に戻ってしまい、クライマックスは劇的な4音で短く締めくくられます。

短い序奏からの変化と言うと、交響曲第4番も短めの序奏から急転直下でドラマが始まる部分で共通する所があります。ピアノ協奏曲共々個人的に大好きな曲です。


この曲は良くグリーグのピアノ協奏曲とカップリングされます。

同じ調性で曲の構成が似ている上に、グリーグ自身もシューマンの協奏曲を聴いて大きな影響を受けたと語っています。

この話はグリーグのピアノ協奏曲を紹介した際にも書いたのでそちらを御覧ください。

どようのつちのひ 9
『グリーグ ピアノ協奏曲 第2楽章』 「一番美しいと思う協奏曲の楽章は?」 かなりニッチな質問だと思うが、一番好きな協奏曲は決められない中、質問をここまで限定すれば即答できるのがこの曲のこの楽章である。6~7分程度の楽章...

(古い記事で文体が全然違いますが…)

また、日本ではウルトラセブンの最終回でこの曲のこの楽章が使われた事でも知られています。