マーラー 交響曲第5番より第4楽章(1902)
映画「ベニスに死す」で用いられ一躍有名になりました。
「マーラーのアダージェット」と言えばこの曲。
マーラーの代表曲の1つと言っても良いでしょう。
大編成(と言ってもマーラーにしては普通の編成)で5楽章構成の交響曲にあって、この楽章は弦楽器とハープのみで演奏されます。管打楽器休憩タイム。
幻想的な雰囲気で開始されるこの楽章は新妻アルマへの愛の音楽とも言われており、暗く激しい音楽で死を感じさせる1楽章から楽天的な5楽章までの楽想の変化でも重要なポジションを担っています。
楽章のクライマックスにおける音楽の広がりは弦楽器とハープだけで描かれていると思わせない程。時の流れを忘れてしまう様な大変美しい音楽です。
しかし元々はこの楽章は構想に含まれていなかったそうで、アルマとの出会いをきっかけに急遽入れる事になったのだとか。マーラーの音楽や人生はアルマ無しでは語れないのですが、その最初の影響がこの曲なのかも知れません。