どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 88

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リヒャルト・シュトラウス 交響詩「ドン・ファン」(1888)

シュトラウス初期の作品にして出世作の一つ。冒頭だけは知っている方も多いのでは。

スペインの伝説上の色男、ドン・ファンの物語を交響詩にしたもので、冒頭から享楽的な音楽で曲が開始します。

威勢の良いメロディーで女性に猛アプローチを掛け、美しい旋律がロマンスを感じさせ、不協和音や短調の音楽で追い求める理想とは程遠く落胆する、といった具合の分かりやすい展開の音楽です。

金管群を中心とした派手な音楽も聴き所ですが、様々な楽器のソロも大変美しい曲となっています。特に前半に有る、オーボエのソロはクラシック音楽の中でも屈指のソロの一つだと思います。

最後は威勢の良かった音楽とは一転、伝説通りに死の予感を漂わせ静かに曲が終わります。

ちなみに「リヒャルト・シュトラウス」とフルネーム呼びが一般化しているのは、ニューイヤーコンサートでお馴染み、ウインナーワルツの大家であるシュトラウス一族が居る為です。こちらとは血縁関係は全く無いとのこと。


この曲も同じテーマなので紹介しておきましょう。

モーツァルト 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲(1787)

「ドン・ファン」と名前が違う様に見えますが、こちらはイタリア読みで、実質同じタイトルです。

作曲の時代が時代という事で「ドン・ファン」と比べると相当古典的ですが、冒頭から悲劇を予感させる劇的な幕開けなのが非常に対照的です。