チャイコフスキー イタリア奇想曲(1880)
たった3ヶ月で破局を迎えた教え子との結婚生活により精神的に疲弊しきっていた作曲家が気分転換のために訪れたのがイタリアでした。
イタリアと言えば地中海性気候で居心地の良い土地というイメージが有りますが、ロシア人のチャイコフスキーにとって尚更だった様で、大変な感銘を受けたそうです。その地で作曲を始め、帰国後に完成させたのがこの曲です。
奇想曲(カプリッチョ)はイタリア語で「気まぐれ」を意味し、音楽的に特に制約のない自由な曲となっています。「イタリア奇想曲」ではイタリア旅行で聞いた旋律を元に様々な曲想が自由に展開されます。
ファンファーレから始まり、濃厚で少し翳りのあるチャイコフスキーらしい歌からイタリアの気候を感じさせるカラッとした明るい音楽と15分程度の曲ですが内容盛りだくさんの曲です。過去に紹介したイタリアの舞曲タランテラも曲中に用いられています。

どようのつちのひ 61
リスト 「巡礼の年」第2年「ヴェネツィアとナポリ」補遺より「タランテラ」(1861) 「巡礼の旅」は以前「エステ荘の噴水」を紹介した事がありました。 あれは第3年の中の曲で、今回のタランテラは第2年の補遺とし...
イタリア奇想曲は1枚しかCDを持っていないのですが、今回紹介した音源が手持ちの音源と全く同じ箇所で譜めくりの音がするのでちょっと笑ってしまいました。紹介音源では13:58ごろ。
譜めくりの難所なんでしょう。演奏する側目線だとつい気にしちゃうんですよね、こういうの。
さらに余談ですが、この曲と曲調が似てると思うのは私だけでしょうか。
スッペ 「軽騎兵」序曲(1866)
イタリア奇想曲は舞曲中心なので行進曲のこちらとは完全に別物では有るのですが、華やかなファンファーレに始まり翳りの有る歌に軽快な行進曲と共通する部分は多い様に感じます。
ちなみにスッペはオーストリアの作曲家です。