ヴィドール フルートとピアノのための組曲(1877)
4つの様々な曲想の小曲集。
暗い霧の中をポッと光が現れるように始まる幻想的な1曲目。テンポこそゆったりしていますが、抑揚のかなり効いた音楽です。
2曲目は風の様な音楽。都会的な雰囲気も感じます。とても短い曲で箸休めの様なポジション。
3曲目は「ロマンス」という副題が示す通りの美しい音楽。1曲目と少し雰囲気が似ていますが、より激情的になっています。
最後の4曲目はフィナーレらしい華麗な音楽で今までの音楽を総括するかの様に様々な曲想が展開されていきます。音楽は徐々にクライマックスへ向かい熱を帯びていき、華々しく終わります。
どの曲も好きなのですが、3曲目のロマンスが愛の国フランスの音楽らしさを堪能出来て個人的には良いなと思います。
全曲通しても15分程度で、聴き易い長さの曲なのではないでしょうか。
また、器楽曲では伴奏に徹しがちのピアノですが、曲名が示す通りこの曲では重要なポジションを担います。フルートとの絡みも多く、時にはメロディを担当するなど聴きどころたっぷりです。
私事ですが、今後ちゃんと練習しようと思っている曲の一つだったりします。
終曲の終盤がかなり難しいのですが、そこ以外は滅茶苦茶な難易度でも無いので吹けるようになりたいなあ。