
『ブラームス交響曲第2番』
ヨッフム指揮、ウィーンフィル(1981年)
巨匠カール・ベームの追悼公演ライヴ。
ヨッフムはウィーンフィルとの共演は少なく、ブラームスの演奏もこの時が初めてだったらしい。そのせいか全体的にアンサンブルの乱れが目立つ。そのため序盤は音色こそウィーンフィルのそれではあるものの、耳障りな所の方が気になってしまい、正直「ハズレ」かとがっかりした。しかし、圧巻は終楽章のコーダ。ここに来てやっと重い腰を上げたかのような金管群の斉奏が凄まじい。強烈な推進力でラストまで突き進む。そして真の圧巻は最後のホルンのロングトーンである。既に充分過ぎる盛り上がりを見せているのに最後の最後に想像を更に上回る大音響で鳴らしてくる。ここまで際限無く盛り上がりを見せる演奏は中々無い。
高校生の頃は「ブラ2」は退屈な曲の筆頭で、終楽章まで起き続ける事が出来なかった。幾度となく聴いては寝る事を繰り返し、やっとの事で聴いた終楽章とその盛り上がりで初めてその素晴らしさに触れることが出来たという思い出がある。
今では退屈な曲とは決して思わないが、ヨッフムの演奏はこの曲が持つクライマックスへの盛り上がりの素晴らしさを高校時代の思い出と共に再認識させてくれた名演である。
とは言え「そういう演奏ができるなら冒頭からしてくれよ」と思うのが正直な所である。
@Tcy_Kazuhito
・ヨッフム指揮ウィーンフィルの「ブラ2」
・巨匠カール・ベームの追悼公演
・曲の序盤はウィーンフィル全然やる気ないんだけど、最後の方でめちゃくちゃ本気出す
・最初からやれ#よくわかるまとめ— つちやかずひと (@Tcy_Kazuhito) 2016年10月22日