どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 8

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~超絶技巧の世界~

アルカン 練習曲『鉄道』

シャルル=ヴァランタン・

アルカン(1813-1888)はフランスの作曲家、ピアニスト。ショパンやリストと同時代のピアニストで、彼らとの交流も有った。しかし、残されている資料が乏しく(40代の頃に25年もの間隠遁生活に入ってしまった事も拍車をかけている)作曲家としてはどちらかと言えばマイナーな部類。

ピアノの腕前はショパンやリストが感心する程であり、この『鉄道』からもその実力が窺い知れる。練習曲なのでやや技巧よりの曲だが、決して技巧だけでは無く鉄道らしさもしっかり伝わってくる。

ちなみに「練習曲」と言っても、演奏表現の追求を目標とした曲なので、チェルニーやハノンの様な機械的な反復練習曲とは性格が異なる。ショパンの『木枯らしのエチュード』やリストの『超絶技巧練習曲』と同じ部類の曲である。


クラシック音楽界で鉄道と言えばドヴォルザークだ。
毎日駅舎に足繁く通い鉄道を眺めては型番やダイヤを覚え、駅員と交流したりしていたそうだ。普段と異なる車両音に気づき、駅員より早く車両の異常を察知したと言う逸話も残っている。音楽家ならではのエピソードと言っても良いだろう。