どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 23

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プロコフィエフ ピアノソナタ第3番「古い手帳より」(1917)

1907年に自身が作曲した習作を改作した曲。
副題はそういう意味で、同4番にも同じ副題が付けられています。

1907年と言うとプロコフィエフは16歳、サンクトペテルブルク音楽院に学ぶ学生でした。ピアノソナタとして出版した時でもまだ26歳なので、かなり若い頃の作品です。しかし、その歳で既に古典交響曲とピアノ協奏曲第3番という名作を書き上げている辺りに彼の早熟の天才ぶりが伺えます。

ピアノソナタですが、単一楽章で演奏時間も7分半程度。
冒頭からいきなりエネルギッシュに始まる伴奏と、それに乗っかる軽快なメロディーが心地良い曲です。躁鬱的なレベルで緩急が激しいのもこの曲の魅力で、7分半があっという間。冒頭から一貫して鍵盤を好き勝手飛び跳ねる様な曲ですが、ラストだけは襟を正して着地するのがニクい所。かっこいい。
緩徐部分の気だるさを感じる様な色彩感も何ともプロコフィエフらしいです。

プロコフィエフのピアノソナタと言うと7番が有名ですが、個人的にはこの3番が一番好きです。若い頃の曲ですが、既にプロコフィエフらしさ全開なので、曲の短さも含めてプロコフィエフ曲のファーストチョイスにも良いかなと思います。