今回は短い曲を一発。
カバレフスキー 組曲「道化師」より道化師のギャロップ(1939)
きっと一度はどこかで聴いた事が有るだろう曲。
シーズン的には今月5月より10月って感じでしょうが、最近は何月ともなく涼しいうちにやってるイメージが有ります。運動会。
カバレフスキーの名前を聞くのは熱心な人でも無い限りこの曲くらいのものでしょう。カバレフスキーは1987年没の比較的最近の作曲家です。近代に有って
(近代音楽らしからぬ)
かなり分かりやすい音楽を書きます。ソビエト時代には「社会主義リアリズム」という分かりやすく社会主義を賛美する音楽が奨励されており、カバレフスキーはそれに合致する様な作風でソビエト音楽界では重要なポジションを担っていました。ちなみにこの社会主義リアリズム、具体性は殆どなく、共産党幹部が理解できる簡単な音楽で幹部が気に入ればOKと言う程度のものでした。この大雑把な指針に対して、踏み外せば容易に粛清されてしまう状況だったので、当時の芸術家は大いに悩まされることになります。ショスタコーヴィチはその筆頭でした。
この「道化師」は児童劇の為に書かれた16曲の付随音楽から10曲を選んだ組曲です。先に挙げたギャロップ以外もとても平易な音楽で、児童劇の為の音楽という事がよく伝わります。しかも10曲の殆どが2分以内という短さ。全曲演奏しても16分程度です。
全曲の音源となるとあまり種類が出回っていないのが少々難点ですが、こういう曲からクラシックに足を踏み入れるのも面白いのではないでしょうか。