芥川也寸志 「交響管弦楽のための音楽」より第2楽章(1950)
今回は邦人作曲家。
作曲家25歳の時の作品で出世作。1950年、NHK放送25周年記念事業の懸賞募集管弦曲応募作として作曲し特賞入選を果たした曲です。
取り上げるのは全2楽章の曲の終楽章。
シンバルの一撃を合図に始まるトロンボーン群のソロが強烈な印象を残します。途中緩徐部分を僅かに挟みますが、冒頭のトロンボーンが演奏した疾走感の有る主題を軸にして最後まで一気に突き進むエネルギーに満ちたとても豪快な楽章です。
芥川と聞いて思い浮かぶのは芥川龍之介。芥川也寸志は龍之介の三男として生まれました。父の遺品のクラシックレコードを幼い頃より聴き漁り、音楽の道を志します。作曲活動だけに留まらず、音楽番組の司会やアマチュアオーケストラ新交響楽団(現在も活動中)の創設など音楽界に広く貢献しました。