今回はチャイコフスキーの交響曲から。
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 第2楽章(1893)
チャイコフスキー(1840-1893)の最後の交響曲。
1楽章のみ完成となった未完のピアノ協奏曲第3番を除けば、この作品が最後の作品でもあります。この曲の初演が行われた10月16日からわずか9日後の10月25日に彼は急死しました。
交響曲の楽章構成の定番だった「緩-急-緩-急」とは真逆の「急-緩-急-緩」という構成を取る意欲作。やはり初演時の聴衆は当惑した様ですが、それでも作曲家自身は初演後「自作の中で最高の作品」と語ったといいます。
1楽章の絶望的な葛藤から一転、穏やかな舞曲となる2楽章。
ワルツなのですが、良くある3拍子のワルツとは違いこの曲は5拍子。聴き慣れない拍子ですが殆どの箇所が2拍子と3拍子に分けることが出来るので聴き難さは無いと思います。最初の2拍が付与される事で明るい雰囲気の中に何か煮え切らなさも感じます。フレーズも下降音型で終わる事が多く尻すぼみの印象。
この後、行進曲の3楽章、悲痛な叫びを残し消え入るように終わる終楽章へと続きます。
今回は2楽章のみの紹介ですが、全ての楽章が意欲に満ち溢れたチャイコフスキーの傑作なので、いつか全楽章取り上げるかもしれません。