どようのつちのひクラシック音楽

どようのつちのひ 41

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突然ですが「シン・ゴジラ」は見ましたか?

私は劇場で2回、レンタルで1回見ました。BDを買うかは悩み中。
一応ここはクラシックのコラムという事でストーリなどのネタバレやら感想やらは控えますが、今回は劇中で流れた音楽のお話。

伊福部昭 「SF交響ファンタジー」 第1番(1983)

「シンゴジラの」と言うよりは有名なゴジラのテーマと言うべきでしょう。
伊福部昭が過去に作曲した映画音楽をメドレーに仕立てたのがこの「SF交響ファンタジー」です。劇中で流れた曲ではゴジラのテーマ以外にもヤシオリ作戦の「宇宙大戦争」、EDで流れた
「三大怪獣 地球最大の決戦」も入っているので往年の特撮ファンで無くともシンゴジラを見ていれば楽しめる1曲だと思います。

伊福部昭の作品の特徴として同じメロディーの極端な反復があります。
これは北海道出身の作曲家がアイヌの民族音楽に影響を受けたものなのだそうですが、映画音楽として考えると1つのメロディーが1つのシーンと強烈に結びつきやすい点でとても効果的に感じます。それにこれだけ繰り返されたら劇中だけでその曲を覚えてしまいますよね。ゴジラのテーマはその最たる例でしょう。

ただ純粋に音楽として見るとこの繰り返しは少し単調に聴こえるかもしれません。個人的にはあくまで映像のために作られたBGMとして考えた方が良い気がします。

なのでBGMでない純粋な音楽からも1曲。

伊福部昭 「日本狂詩曲」 第2楽章「祭」(1935)

作曲家は当時21歳で最初期の作品ですが既に作風は完成されている印象です。
同じようなフレーズの繰り返し、日本的な響き、特殊奏法を駆使して奏でられる独特な音色が日本の祭の風景を鮮やかに表現します。


1つのメロディーが強烈な印象という点では、シン・ゴジラもう一人の作曲家、鷺巣詩郎の曲も共通していました。熱線のシーンで流れる曲。D-H-F(レ-シ-ファ)の3音だけで強烈に不安を煽ってました。