シャブリエ 狂詩曲「スペイン」(1883)
シャブリエはフランスの作曲家。
1882年に4ヶ月ほど滞在したスペインの風土に触発されて作曲したのがこの曲。
カラッとした気候を感じさせるスタッカートや弦のピチカートにラテン的な明るさのメロディー。終始祝祭ムードに包まれた賑やかな曲です。
シャブリエは幼少期からピアノや作曲の才能を発揮していたのですが、親の強い勧めで法律を学び39歳まで公務員として働く傍らで作曲活動をしていました。39歳から53歳で亡くなるまで作曲家一本で活動しています。
こうした日曜作曲家は他にも居ます。
「だったん人の踊り」などで有名なボロディンは生涯化学者として働きました。有機化学の分野にはボロディン反応という彼の名を冠した反応も存在します。
マーラーも本業は指揮で、オーケストラのオフシーズンの余暇で作曲を嗜んでいたのでこのカテゴリーに入るのかもしれません。
作曲家では有りませんが、フルート界の大巨匠ジャン=ピエール・ランパルは医学部に入りましたがその最中に第2次世界大戦が勃発し医師の道を志半ばで断念。その後パリ音楽院に入学し、わずか5ヶ月で卒業という経歴。
また「4分33秒」のジョン・ケージはきのこの研究家としても有名です。
「天は二物を与えず」なんて言われますが、多才な人ってのは居る所には居るんですよね。