プロコフィエフのバレエと言うと「ロミオとジュリエット」が有名ですが、この曲も大変な名曲です。
プロコフィエフ バレエ音楽「シンデレラ」より 「愛をこめて」(1945)
皆さんご存知「シンデレラ」に基づいた全3幕50曲からなるバレエ音楽の終曲。王子との再開を果たしたシンデレラが愛を誓い合う大変感動的な音楽です。
先述した通り、この曲はラスト50番目の曲なのですが、ここに辿り着くまでストーリーには長い長い「旅」がありました。音楽的には「調性の旅」です。どの曲も短めの曲なのですが、1曲の中でも転調が頻繁に行われ、とにかく調性が落ち着きません。
この曲も最初こそホ長調でロマンスを描いているのですが、そのロマンスも徐々に昇華されて行き、最後に辿り着く調が(♯や♭の無い)純潔のハ長調。長かった旅路の終着点に用意されたこの調の美しさには心が洗われます。
いくら有名なストーリーだからと言って終曲だけ紹介するのも味気ないので道中の曲も幾つか取り上げます。
バレエ「シンデレラ」より「舞踏会を夢見るシンデレラ」
第1幕中盤の音楽。義理の姉たちが舞踏会に出かけてしまい一人舞踏会を夢見るシンデレラのシーン。
バレエ「シンデレラ」より「シンデレラのワルツ」
第1幕で魔法をかけてもらい舞踏会へと足を運んだシンデレラのワルツシーン。怪しい雰囲気に満ちつつもとても優雅なワルツです。ラストで徐々に切羽詰った様な展開を見せますが、真相はアタッカで続く次の曲へと持ち越されます。
バレエ「シンデレラ」より「シンデレラのワルツ」~「真夜中」
先程の続き。ストーリーは説明不要でしょう。
この曲で第2幕は幕を閉じます。
ちなみに鐘はちゃんと12回鳴っています。