去年の10月から書き始めて何だかんだで今年も年末を迎える事ができました。
去年のクリスマスは定番のポップス曲を取り上げましたが、割とアレで出尽くした感が有るので、今年は年の瀬関係なく冬らしい曲を取り上げて締めようと思います。
ヴィヴァルディ 「四季」より「冬」第1楽章(1725)
「冬らしい」というか冬そのものです。
某音楽ゲームで有名な曲。テレビでも時々耳にする気がします。
この曲には各楽章にソネットと言う定型詩が添えられています。
詩の作者は不詳で、作曲家自身による物という説もあるそうです。
手っ取り早い解説になるのでそのまま引用します。
寒さの中で身震いしている。足の冷たさを振り解くために歩き回る。辛さから歯が鳴る。ソロヴァイオリンの重音で歯のガチガチを表現している。
[四季 (ヴィヴァルディ) – Wikipedia]
詩を知らずに聴いた時は「冷たいけど情熱的な曲だなあ」と感じていたのですが、この詩が言うにはもっと直接的な音楽という事になります。言われた通り、多用される音の刻みを寒さの震えと思って聴いてみると途端に身も心も冷える極寒の音楽に様変わりするのが面白い所。
ただ曲に添付されているからと言ってこれが絶対の解釈だと思うのもあまり良くないと思います。曲を聴く際の一つのヒントと思って記憶の片隅に置いておくくらいが良いでしょう。先述しましたが、私には今でも優雅な音階と重音の刻みの対比が際立った情熱的な曲に聴こえます。
極端な話、他人から見て頓珍漢な解釈でも自分が楽しく納得できればそれで良いんです。それが表現する側だとちょっと問題かもしれませんが、聴く分には自由に楽しむのが一番です。
ちなみに、例によって(?)「四季」は通称。
「冬」は「和声と創意への試み」というタイトルの12曲からなる協奏曲集の中の第4番の曲です。名が示す通り「春」「夏」「秋」も存在するのですが、それらはそれぞれ1番~3番に割り振られています。要するに「和声と創意への試み」から最初の4曲を抜粋した結果「四季」という名前で括られるようになったと言うわけです。通称と言ってもイメージを損なわないタイプの通称ですね。日本だけでなく世界中で使われている通称です。
年明けまであと1週ありますが、去年同様最終週はお休みにします。
皆様良いお年を。