ショスタコーヴィチ 交響曲第10番より第2楽章(1953)
以前の特集時に曲の大雑把な紹介をしました。

どようのつちのひ 59
ショスタコーヴィチ③
雑な楽曲紹介シリーズの続き。今回は交響曲10~15番。 1948年、ショスタコーヴィチらを始めとする前衛芸術家たちは「ジダーノフ批判」により自己批判を余儀なくされます。ショスタコーヴィチについては先の交響曲第9...
その際の紹介どおり、3楽章から顔を出し始めるDSCH音型が特徴的な曲ですが、2楽章も強烈な楽章です。
曲中では一番短い楽章で、最初から最後まで早いテンポで突き進んでいきます。
「ショスタコーヴィチの証言」という今となっては偽書扱いされている作曲家へのインタビュー集によると、この楽章は「スターリンの肖像である」とされています。証言としての信憑性は怪しい所ですが、曲全体が自叙伝的な側面を持つ事や曲調が非常に暴力的である事に加え、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」(ロシアで圧政を敷いた暴君)のフレーズからの借用と見られる部分が有る事などから暴君スターリンの圧政について描いている事は間違いなさそうです。
背景など考えず音楽だけ聴くと、弦や木管はうねり、金管はうなる非常にかっこいい楽章。要所の打楽器も曲を引き締めます。テンションの上がるクラシック曲を集めて行くと必ず入ってくる曲だと思います。